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そこまで考えを巡らせてから、ようやく気が付いた。
そうか、俺は「5時」のつもりでしゃべってたけど、彼女には「誤字」って聞こえたんだ。「ごじ」と言われて、咄差に自分の名前のほうを思い浮かべるのは自然なことかもしれない。
それにしたって、誤字を直すのなら、「誤字修正の妖精」というべきじゃないのだろうか。
「誤字の妖精」だと「間違いだらけの妖精」と思われて、全く逆の意味になってしまうじゃないか。長時間バスに乗る時とかに飲む酔い止めの薬を「酔い薬」なんていうようなものだ――と思うんだけどな。
その疑問を口にすると、彼女は拗ねたように口を尖らせた。
「細かいことは、いいのよ! 単に略しているだけじゃないの」
「……そうなのか?」
「(*^^*)♪」
何だろう、この満面の笑みは。誤字には厳しいのに、そこは気にならないのかっ……!
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