にじの妖精 3

3/4
前へ
/24ページ
次へ
 今、1時55分。午前2時まで、あと5分。  私のドキドキは最高潮に達してた。なんてったって、この時計での初めてのお仕事なんだもん。  そして――ついに、やって来た。待ちに待った、午前2時。  私は歌う。溢れんばかりの情熱を込めて。  真夜中の静寂を破り、響き渡る美しい歌声は、万人の心に染みていくに違いないわっ。  あ、ほらほら、早速ファンがやって来たみたい♪  ――って、思ったのに。ものすごい勢いで怒鳴られてしまった。 「うるせーっ! 今 何時だと思ってるんだっ!!」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加