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「····っ」
目を覚まし、白い天井と四肢に伸びる鎖そして身体の痛みが今の現状を思い出させる。
····そうだ····お兄ちゃんに。
それと同時に尿意が私を襲う。
下半身につけられたオムツの存在に意識が向き、我慢しつづるも温かみが広がった。
もう·····やだ。
恥ずかしさと逃げないとという気持ちが私を動かす。
「·····誰か助けて誰かっ」
声をあげ、助けを求める。しかし、部屋中に響くだけだった。
「たすけっ」
どれだけ叫んだ時か、扉が音をたてゆっくりと開いた。
希望が絶望に塗りつぶされる。
「おはよう。美由」
いつもと変わらない笑顔の兄がゆっくりと私に距離をつめ始める。
「·····っ」
私は顔を背け、ギュッと目を閉じた。
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