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全てが終わるとお兄ちゃんは着替えを取りに行くといい部屋を出た。
太ももから流れる血。
ズキズキと痛む首筋。
お兄ちゃんは何度も愛してると言いながら私の中に出し、嬉しそうにしていた。
どうして。何で。私は妹だよ。
私たち家族じゃないの。
「ど·····して·····」
心の叫びが声になる。その時、階段を降りてくる足音が聞こえ、ビクッとなり、声をとめる。
「美由おまたせ」
お兄ちゃんの手には鞄と水の入ったプラスチックの風呂桶があった。
ポケットから鍵をとりだし手錠足錠を全て外した。手首は赤くなっていた。
そして、自分の白いシャツの袖を肘まで捲り揚げ、ワンピースとブラジャーを脱がし私の身体を拭きはじめた。
以前は大きくてきれいで大好きなお兄ちゃんの手。今は恐怖でしかない。
「美由は初めてだったんだね。勇馬くんとはしてなかったんだ」
太ももに垂れた血を拭きながら言う。
私は恐怖で声が出ず、軽く首を縦にした。
「嬉しいよ。僕のためにとっていたんだね」
お兄ちゃんは嬉しそうにしながら全身拭き終わると鞄からブラジャーとさっきと同じ白いワンピースを取り出し着けた。そして手枷を着け、今度は足の枷を外し、パンツを脱がすと鞄から大人用のオムツを取り出し着けた。
私、ここから出られないんだ。
「美由がここの生活に慣れてくれたら枷は全部外してあげるね」
お兄ちゃんは噛んだ箇所を触り、消毒薬を鞄から取り出すと手当てを始めた。
「····ぃッ」
傷口かしみる。
「ごめんね。少し我慢してね」
そんな風に言うお兄ちゃんは昔と変わらない。
「今から仕事だから帰ってきたらご飯もってくるね」
私の頭を撫でておでこに軽くキスをして部屋を出ていった。
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