異常な兄

1日目

----------美由

小さい頃からお兄ちゃんが大好きだった。

小学生の時、両親と喧嘩して家出した私に付き添って一緒にいて慰めてくれた。

両親が行方不明になり、小学校にいけないくらい毎日、泣いていた私の頭を撫でて抱き締めてくれた。

私が苦手な野菜に工夫を凝らし料理して美味しくしてくれた。

算数のテストで悪い点数とって落ち込んでいる時も分かりやすく教えてくれた。

中学生の時、片想いしていた勇馬と付き合うことになり一緒に喜んでくれた。

夜中、受験勉強をしているとき夜食を作って応援してくれた。

優しいお兄ちゃんが大好きだ。

高校生になり、お兄ちゃんと顔を合わせる時間が少なくなった。

最近、仕事とか研修が忙しいらしい。

やっぱりお兄ちゃんは凄いな。でも、少　　し寂しいな。

そんなことを思いながら、学校から帰るとお兄ちゃんが夕飯の準備をしていた。

今日は私が好きなシチューだ。

お兄ちゃんと久しぶりに夕飯を食べた。