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「これで三件目か」
五階建てマンションの屋上の手摺り越しに、安住刑事が下を覗いている。
犯人と争い突き落とされた被害者の遺体がパトカーの赤と青のランプに照らし出される。
「被害者の名前が”星野”さんですからね。おそらく前の二件と関係があると思われます」
安住刑事と組んでいる若手のホープ星刑事が手帳のメモを見ながら説明する。
マンションの屋上から夜中に突き落とされるという事件はこれで三件目だ。
前の二件では有力な被疑者は挙がっていない。
被害者の繋がりも、一点を除いて全く見つかっていなかった。
その一点も繋がりと言っていいものかどうか。
「最初が”星谷”さんで、次が”星島”さん。で今回が”星野”さんか。”星”降る夜ってか。洒落にならねえ」
安住刑事が言い放った。
「いやいや、実は被害者たちは裏で悪い事してたかもしれませんよ」
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