さよなら、流れ星

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さよなら、流れ星

ママはいつも唐突だ。 「ママとパパ、今週いっぱいで実家に帰らなくちゃいけないのよ」 「実家?えっ?私のおじいちゃんとおばあちゃんは亡くなってるって……」 「あぁ、それ!嘘!」 ママはよく突拍子もないことを言う。 「あなたのおじいちゃんとおばあちゃん、ちゃんと生きてる!月でね」 「月?ごめん、ママちょっと疲れてる?」 「疲れてないわよ!失礼ね!」 ママは時々、おかしくなってしまったんではないかと思う。 「結月には言ってなかったけど、ママとパパは月の人間、ルーナ人なのよ」 「ママ、ちょっと病院に行った方が……」 「だから、疲れてもいないし、病気でもないって!本当にそうなの。あなたは正真正銘、ルーナ人の血を引いた人間なのよ」 言っている意味がわからなかった。 ママはこれまでも常識からずれていると感じる瞬間が多々あった。でも、その大半は許容範囲でここまでワケの分からないことを言ったことはなかった。こういう時、どうすれば良いのか。病院に連れていく?いや、まずパパに連絡をした方が……。 「全然信じてないわね」
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