さよなら、流れ星

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私の心を見透かしたかのようにママは大きくため息をついた後、胸元にぶら下がっていたネックレスの鍵型のモチーフで傍にあった小棚を開けた。 あれ、本当に鍵だったんだ。あの小棚、開くんだ。 私が物心つくころには常にママの胸元にぶらさがっていたそのネックレスと、一度も開けられたことを見たことがなかった小棚。 その二つが結びついた瞬間、さすがの私もそれが“ただごとではない”と気づいた。 ママはそこから小さな端末を取り出して私に見せた。 「これ何?」 「月のアルバム。地球で言えばデジタルフォトフレーム?まぁ、その進化版よ」 そういってママが器用にその機械を操作すると私の目の前には3D映像の動画が流れ始めた。 「これママ?」 そこに写るのはどこか私に似ている女性と男性。地球とは少し違う装いだが、美しいドレスを着た女性を見て、おそらく結婚式だろうと悟った。 「そう。それでこれがあなたのおじいちゃんとおばあちゃん」 ママがそう言って画面を切り替えると、そこには高貴な印象を与える夫婦が二組写っていた。 「後ろ、見て」 ママがそう言って指さした方を見て、私はあっ!と声を漏らした。
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