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……そうだ。
法王驢馬(バプスト・エーゼル)のあの喉元は、怠惰の神の法王がわざと何もしなかった、あの柱の唯一最大の急所なんだ。
一つの図面から造られた牛坊主(メンヒス・カルプ)と同じように……!
地面に投げ出したおれの手足の先に、じんわりと熱が戻ってくる。
震える腕と脚に渾身の力を込めて、胸と腹を地面から引き剝がす。
幸い、“城(ル・シャトー)”の武器庫でルミが選んでくれた頑丈な胸甲が、おれの肋骨も肺も大地震の衝撃から護ってくれた。
まだやれる。
いや、今、この時しかない。
おれは右手が最後まで放さなかった棍を、地面へと突き立てた。
そして握りしめた棍を支えに、再び立ち上がる。
でも、立ち上がれたのは、おれだけだ。
ルミも、大剣を受け止めたカレ兄と、法術を放ったシルク姉さんも。
それに瀕死のマリ姉を守るクロウ兄も、双角獣のニムロデさえ、地面に横たわったまま微動だにしない。
けれど、おれたち“約束の六人”をここへ立たせてくれたひとたちのためにも、おれまで倒れるワケにはいかない……!
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