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……生まれる前から、何代にもわたって塗り重ねられてきた重圧から、やっと解放されたんだ。
その胸中はおれなんかには測りきれない。
でも、本当によかった……。
ルミの手が、おれの手を痛いくらいに握りしめてくる。
どんな顔をしてるのか、ちょっぴり気になるけれど、たぶんニヤけてるおれを見られるのは、何だかイヤだ。
振り向かないで空を見上げたおれは、深く息を吸った。
そしてふと目を閉じ、心の底から感謝を捧げる。
……訓えの終焉を完遂できたのは、みんなの助けと、おれにネメイアスの棍を仕込んでくれたじいちゃんのおかげだ。
本当にありがとう……。
――終わり良ければ総て良し――
じいちゃんの最期の言葉を思い出し、つんと鼻に沁みたおれの脳裏に、煌めく金文字がでかでかと並んだ。
『ああ、遂にやり遂げてくれたわ! 同志ラダマ、同志ニムロデ! 我が主コヴェート、怠惰の神ルーデンス、そして性愛の神アマトリアよ、アナタ方の悲願は、斯くの如く人間(ホムス)自らの手により成就されました! 今や人間との通交を妨げるものは何も御座いません! 彼ら“約束の六人”に、永久(とこしえ)の祝福を……!』
グルマルキンの感極まった文字が、おれとルミをガツンと撃ちのめした。
カレ兄とシルク姉さんの肩も、同時にびくんと揺れている。
「クロウ兄! マリ姉は!?」
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