あの星降る夜へ女神ウルドと跳んだから。

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「――凄いネガティブだね。青年! でも、女性の貞操を気にしてあげることは大切だよ!人のことを大切に思う気持ちに古風も現代的もない。世間がなんと言おうと、守りたいものは守れば良いのさっ!」 「え、僕、今、自分の考えていること喋っちゃってました?」  心を読まれたようで、僕は思わず彼女の横顔を二度見した。  白銀の髪の美女はゆっくりと左右に首を振った。 「いいや。君は何も言っていないよ。でも何も口にしなくて、私には君の思考が手に取るように分かるんだ。なんてったって私は――」  お芝居の演出のような、十分な間。 「――あなたは?」 「――時と運命を司る女神! ウルド様だからさ!」  そう言うと女性は、背中に羽織ったマントをばさりと広げる仕草をしてみせた。  なお、上着は夏らしいボートネックのTシャツ一枚。故に何も広がらない。  それでも僕が疑わしそうにしていると、ウルド様は自分の頭の少し上を指差す。  そこにはシーリングライトの蛍光灯みたいに丸い光の輪がプカプカと浮いていて、「ああ、この人は本当に神様なんだな」って、妙に納得させられた。
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