「流星屋」の災難

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 その会社は貯まる一方のデブリの問題に頭を痛めていた。その解決策の社内コンペで俺が、この人工流星ビジネスを提案してみたところ、上層部の評判が非常に良く、どうせなら独立してベンチャー立ち上げてやってみたらどうだ、と言われ今に至る。  前の会社はスタートアップ資金もかなり援助してくれたし、流星の材料となるデブリはいつもほとんどタダでくれるし、船まで無償で貸与してくれている。現在でも当社の一番の取引先である。とは言え、正直俺も最初はこのビジネスにどれだけ需要があるのかはあまり読めていなかった。実際、最初の頃はどのベンチャーキャピタルからも資金提供を断られたくらいだ。  ところが。
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