「流星屋」の災難

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 ふたを開けてみると、このビジネスは意外に需要があることが分かった。直接競合するのは花火だが、花火はせいぜい広くても半径数十キロメートルの範囲からしか見えない。だが、流星は花火よりも高度が遥かに高いため、百キロを超える範囲からも十分見ることが出来る。さらに、爆心から放射状に展開するしかない花火と違い、流星は自由に位置を設定出来るため、ちょっとしたロゴなんかも描くことが出来るのだ。  おかげで最近は「流星アーティスト」などと名乗る者も出現し、芸術性の高い人工流星が作られることも多くなった。というわけで、この3年でようやく俺の会社も(文字通り)軌道に乗り、採算が取れるようになったというわけだ。  だけど、これまでも決して順調な道のりだったわけじゃない。いろいろなトラブルにも見舞われた。そんな時に助けてくれたのが、親父だ。  ジョージ・マクドネル。第71代アメリカ合衆国大統領。
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