3人が本棚に入れています
本棚に追加
不思議な星空 当日
次の日の夜。
「次の流れ星が流れたら、僕は願い事をしようと思う。」
高校生のヒカルはそう言った。
「じゃあ、私も願い事しようかな!」
ヒカルの友人、マイが返事を返す。
そう、今この2人は、2人が通う高校の裏にある丘で、無数の光が見える夜空を座って眺めていた。
ーーーーーーキラッ
「!」
2人は瞬く流れ星を見つめながら、それぞれ願い事を頭の中で唱える。
「ねえ、ヒカル!ヒカルはどんな願い事をしたの?」
「マイは?」
「私は、これからの高校生活も楽しくなりますように…かな!」
「そっか。僕は、ずっとマイを見守れますようにかな。」
「ありがとう!せっかくの流れ星なのに、私のこと願ってくれて!」
「そんなの当たり前じゃん!そろそろ夜も遅くなるし、行こうか。」
「うん!」
そう言って2人は、立ち上がる。
ふと、爽やかな風が吹く。
丘に立つ2人のスカートが優しく揺れる。
マイが先に帰ろうと歩き始めた。
「マイ!」
「なーに?」
マイが振り向くと、そこにはもう誰もいない。
「ヒカル、ありがとう。」
そう言って、マイは家族の待つ家に帰っていった。
自転車を漕ぎながらマイは思う。
(昨日の夜も、流れ星を見にいって本当に良かった。)
マイの本当の願い事は、『ヒカルに会えますように』
最初のコメントを投稿しよう!