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プロローグ
12月に入ると、街は自然の彩りからクリスマス色に染められる。
人工の輝きに飾られていく街は、人々の心までも明るく照らす。
聴こえてくるクリスマスソングに心を躍らせ、その日を待ち望み笑みがこぼれ、大切な人への贈り物を探す。
ロビーには3メートル程の大きなツリーが置かれ、お城の酔うな結婚式場をさらに輝かせる。
お馴染みのクリスマスソングをBGMに、5人がかりでオーナメントと電飾を飾り付けていく。
プレゼント、サンタクロース、トナカイ、鈴…いくつになってもツリーを飾り付けるのはワクワクする。
ツリーが大きいと、どの方向から見ても美しいように全体のバランスを調節するのはなかなか難しい。
バランス係に任命された私は、飾りを付けつつ全体を見渡して、みんなに細かい指示を出す。
クリスマスの思い出話をしながら、作業は着々と進んでいき、最後にキラキラ輝く大きな星をてっぺんにのせて完成。
クリスマス仕様に飾られたツリーを見上げると、私のお気に入りの曲が流れ始めた。
クリスマスの定番曲は数多くあるが、その中でも私が一番好きなのは、マライア・キャリーの『All I Want for Christmas Is You』
1994年に発売されたこの曲は、懐かしさよりも、今年もこの曲を聴く季節が来たんだなと、毎年当たり前のように私のそばにある。
きっと何十年後も色褪せることなく、クリスマスを待ち遠しくさせるんだろうな。
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