プロローグ

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『クリスマスに欲しいのはあなた』かぁ。 恋人として一緒に過ごせたらどれほど幸せだっただろう。 今年は胸が傷んで苦しくなってしまう。 どんなに望んでも叶わない願いだってある。 努力してもどうにもならない事だってある。 女は恋を上書きしていくなんて言うけれど、次の恋に進むのは容易くはない。 上書きできる準備を整える時間だって必要だ。 次の相手が見つかっていない…という訳では無い。 けれどその恋に走り出すスタートラインにはまだ立てずにいる。 私の頭の中には、彼が歌うラブソングがいつだって再生できる。 私の心は、この恋を思い出にする事をまだ拒んでいる。 あなたに逢いたい。 あなたの歌声が聴きたい。 私はあなたの歌声に恋をしました。
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