幸子の悪夢

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幸子の悪夢

 幸子は、1年間だけ幼稚園に通い、学年が変わるタイミングで保育園に入園した。  幸子は、家族からはもちろん、みんなから"ゆきちゃん"と呼ばれていた。  毎夜毎夜、夜泣きをする幸子。 真夜中に大声で泣くから、御近所から虐待を疑われるのではと心配する程だった。  赤ん坊の頃から、癇の虫が強い子だった。 赤ちゃんの頃は幸子が夜泣きをすると、 川の字で寝ていた私たち夫婦は、あわてておしゃぶりを探した。 見つからない時は、俺の小指を吸わせると泣き止んだ。  小学生になった幸子は、毎夜激しい夜泣きをするようになった。   
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