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流れ星
隣に特別な人がいるわけでもないし、家族がいるわけでも、友達がいるわけでもない。
流れ星が見えるというからベランダに出て一人で見上げているだけ。叶いもしない願い事を星に聞いてもらっているだけ。いや、叶わないと分かっているならそれは単なる妄想に過ぎないかもしれない。でも、それでも、僅かな可能性があるなら……。
いつか、大好きなあの子と一緒に流れ星を見たい。それだけでいい。
「あれ?」
隣から聞き覚えのある声がする。振り向くとそこには大好きなあの子がいた。
「隣の部屋だったんだね」
彼女の笑顔は星に負けないくらい輝いていて、星たちもさっきより綺麗に見えた。
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