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快楽の底
仕事終わり、駐輪場に向かっていた正一を、桑山が呼び止めた。
「おい、付き合え」
桑山がくいっと、お猪口を傾ける仕草をする。最近は毎日、帰りを待っていてくれるベスが気にかかり、正一の足は動かなくなった。
「あの、家にあの、彼女がだね」
「ああ、あいつは来ねーよ……おら、行くぞ」
桑山は断言する口ぶりだった。話はしたが、本人とは面識はないはず。引っかかりながらも、正一は桑山の後を付いていった。
場所はなんと、日本橋の料亭だった。場違いだと恐れる正一を横目に、桑山がどんどん先を歩いて行った。
上等な着物姿の女将は深々と頭を下げると「桑山様」と奥の個室を案内した。黄ばんでいない畳に、掛け軸や美しい檜のテーブルが目に飛び込んできた。
向き合うように用意された座椅子に腰掛けると、料理が運ばれてきた。
「ああ、美味いな」
冷えた日本酒に桑山が口を付ける。正一も一口飲む。芳醇な香りに、何も考えられなくなった。
「美味い……」
「ほらぁ、飲め、飲め」
桑山が次々と酒を注いでいく。皿に盛られた刺身などそっちのけで、酒を飲んだ。卓上の皿は小鉢含めて十五皿。どれも花や山菜を盛りつけた、贅沢な一品だった。
どうしてこんなにも、不公平なのか。
世間は食べる物がないと貧困に喘ぐ市民たちが、連日メーデーを起こしている。正一は本来ならば、麻袋を持って、メーデーに参加する側の人間である。
やはり場違いであることを認識しながら、酒を煽った。
「おい、わかまきぃ」
ずるずると桑山が移動し、正一の隣に腰掛けた。肩を気さくに叩いた男の手が、肩に這う。うなじ、腰、横腹、そして尻を掴まれた。
「おい、桑山」
「うん?」
やんわりと止めたが、すぐに手が動き回る。桑山は相当、酔っているようだった。
目は充血し、料亭を出る頃には、正一が肩を貸していた。
「おい、桑山」
もたれかかる男に声をかけるが、呻き声が返ってくるだけだった。仕方がないので、長屋まで送り届けることになった。
日付けが変わる夜道を歩き、家についた。さすがに夜遅いので、警備を担当する若手の姿はなかった。
鍵は尻ポケットにあると言われて、玄関を開ける。何度か家を訪ねているため、寝室は分かっていた。
自分よりも体格の良い男を抱えて、正一は照明ランプを付けた。カチカチと音がなり、ぱっと周囲が明るくなる。
寝こける巨体を隅に置き、正一は押し入れから布団を出した。畳に敷いて、声をかけた。
「桑山」
「……んー」
布団に寝かせようと、腕を引っ張った――ぐるりと視線が回転する。気が付けば、布団の上で、仰向けになっていた。
「若槙」
すぐ目の前にあるのは、ぎらついた目だった。酒臭い息を吹きかけられ、顔を背ける。乱暴に顎を掴まれて、唇を合わせられた。
「んんっ……んぅっ」
かさついた唇が、唾液で徐々に湿っていく。抵抗しようと口を開いた瞬間、分厚い舌が這入り込んできた。
「んんっぅ、んうぉっ」
歯を舐められ、くにくにと動く舌先に、口蓋を弄られる。口腔を蹂躙する舌に、正一は覆い被さる背中を叩いて抵抗した。
「くぅ、っくわやま!……お、おんなと、おおんなと間違えて、っる!」
どうにか巨体の下敷きから脱出しようと、もがいた。正一の抵抗など気にも留めないのか、男の手がシャツをたくし上げる。
乾いた手がするりと肌着を抜け、正一の乳首を探り当てた。
「ひっ」
「この肌に触れたかったんだよぉ、俺は」
もがけばもがく程、服がはだけていく。ぶちぶちと釦(ボタン)が取れていくのに、正一は愕然とした。
「く、くわやまっ」
「なぁ、俺がお前に良くしていたの、もう分かるだろう?」
「……」
「金、欲しいんだろ?」
駄目押しの一言に、体が揺れた。ちらつくのは、渡した金が少ないと機嫌が悪くなったベスの顔。
ここで嫌がれば、今までの給金を貰えなくなるかもしれない――上手い話には裏があると、先人の言葉が身に染みた。
抵抗をやめると、圧し掛かる男の頬が歪んだ。「よしよし」と幼子をあやすように、正一の頭を撫で回した。
「俺もお前を殴ったりしたくないんだよ。可愛いからなぁ」
「……君は男色の趣味があったのか」
「いやぁ?」
布団近くに置かれた書斎から、桑山は何か取り出した。丸い容器にはカタカナで、グリセリン。用途が分からない正一はぼんやりとしていた。
「お前には触ってみたかったんだよ」
服を剥がれて、ズボンをずり下げられた。露出した白い下着を覗き込む桑山が、正一の局部を弄り始めた。
「……っ」
下着越しに陰茎を弄られ、陰嚢を親指と人差し指で摘ままれた。股を弄る男の目は燃え上がるように熱く、興奮していた。
「……何をするんだい」
「男同士はな、ここ使うんだよ」
「?」
とうとう下着に手を入れられ、直接、性器に触れられた。無骨な手に急所を掴まれて、正一の息が上がった。
「っぅ……くわやま」
「痛くしなぇから、お前は横になっとけ」
繊細な場所を、無遠慮な指が動き回っているのだ。正一の内腿は恐怖で震えていた。意識を逸らそうと、天井を見上げる。ちかちかと光る電球の周りを、蛾が揺らめいていた。
「……ぁあっ、な、なにっ?!」
「ここの尻穴をな、使うんだよ」
ぬちゃりと湿った音がした。いつの間にかグリセリンを指に付けた桑山が、肛門をまさぐっていた。
「や、やめっ、やめてくれっ……あぁっ」
「おい、暴れるな」
普段、そこは排せつにしか使わない器官である。そこに異物を入れられ、正一は焦りと恐怖で足をバタつかせた。
「ひぅっ」
足掻くと、さらに指が侵入を果たした。指の腹が内壁を撫で、硬い秘めた場所をこじ開けようとする。ドロドロのグリセリンを垂らされて、二本目の指を挿入された。
「゛いっ、゛いぃ、゛あ、あああっ」
「きついなぁ……おらっ」
「~~~~ぁあっ」
中で関節を曲げられる。太い芋虫が体内で動いている――おぞましい感覚に、叫び声を上げていた。
「ぁあっ、ああ、うっ、くわやまぁっ」
「ほらっ、ほらっ、気持ち良くなってきただろ?」
くちくちと音がする。指で内壁を押し広げられ、正一の腰が跳ねていた。得体の知れない感覚に、快楽が混じり始めていた。
「ああっ、あぁっ」
「ほーらぁ、お前のもん、元気になってるぞ」
楽し気な声がして、視線を落とした。勃起した性器が目に入り――正一は体を震わせた。膨張した男根の先がぴくぴくと反応する。先走りが垂れていた。
「い、いやぁ、いやっ――あぁんっ」
「お前、いいオンナになれるぞ」
桑山の指が、付け根まで入っていた。指先で、内壁を軽く突き回される。水音と一緒に、トン、トン、トンと音がするたび――正一は体をしならせた。
「あぁ、ああっ、ああんっ」
「へぇ、可愛く鳴くなぁ」
正一の嬌声を聞きたい桑山は、さらに指を増やした。バラバラに動く指先が、また体内を突き回す。弄(いじく)られるたびに、正一の体が跳ねた。
「……オンナになったな」
茶化す声から一転、物騒な声がした。ずるりと指を抜かれる。桑山に蹂躙された場所は、くぱりと口を開けていた。
たらたら後孔から、溶けたグリセリンが垂れ流しになっていた。
「生娘だからな、優しくしねぇとな」
かちゃかちゃとベルトを外す音がした。視線を落とした先、赤黒い凶器が見えた。ずるりと飛び出た男根が、刃先のようにぬめった光を放っていた。
「ひぃっ」
ここまでくれば、正一も理解する。桑山がしつこく広げた場所に、刃物を突き刺そうというのだ。快感も吹っ飛び、恐怖が甦ってきた。
逃げ出そうと――正一は重たい腰を引きずり、離れようとした。すぐにわき腹を掴まれ、刃先をあてられる。拒絶する入口を、猛った凶器がこじ開けてきた。
「――ぁああああ」
「……っあ~、きついなぁ」
指など比べものにならない、太い灼熱の棒が入ってくる。侵入者を拒む内壁が収縮し、桑山が眉根を寄せた。額に滲んでいた汗が、正一の顔にこぼれ落ちていった。
「゛あっ、あぁ、゛い、゛い゛いぃっ……あ~~~」
引っかかっていたカリが通り抜けると、一気に押し込まれた。猛り狂った棒に、串刺しにされた正一は、涙を流していた。
「あぁ……」
「処女ってのは最高だなぁ」
根元まで挿入した桑山が、抽挿を開始する。きつい内壁を征服するように、刃先を奥に突立てては、腰を叩きつける。がくがくと杭を打ち込まれるたびに、正一は泣いていた。
「あぁ~、いいよ、いい、お前の雌孔、最高だぞ」
「あぁんっ」
涙でぼやけた目に、電球の蛾が映る。ピンセットで拘束された生き物が、優雅に羽を動かす蛾を見つめていた。
……
桑山は正一を犯すと、次の日からまるで、愛人に向けるような――馴れ馴れしいものに変わった。
肩を組むのは当たり前で、事務所で尻を撫で回すのは日常茶飯事。股間を掴んでは、事務所で口淫を始める。桑山の絶技に耐え切れず、射精すると、壁に手を付けと命令された。
そうして、背中を見せた状態で、後ろから犯された。正一は必死に声を押し殺した。唇を噛んで耐えていたら、接吻をされた。
口づけをしながら、下を突き動かされる。タバコと整髪料の香りに、精液の匂いが混じると、やっと桑山は解放してくれた。
重たい体を引きずり、なんとか授業のある教室に行く。そこまでは良かったが、里中などが無邪気に抱きついてくるのだ。弱々しくなった体を、教え子に労わられ、居た堪れなくなった。
一度だけば、満足すると。桑山は、好奇心で手を出したのだと――正一の期待は裏切られた。体を求められる頻度は増え、その度に、長屋に泊まった。
毎晩抱かれて、長屋で泥のように眠る日々が続いた。
バラック小屋に帰れず、ベスが心配だった。正一の不安を解消するように、桑山が「俺が代わりに金を渡しといてやる」と言った。
体が動かせない正一は了承した。仕事場にも行けず、布団で眠っていれば、夜、桑山に起こされる。
寝間着の浴衣を剥いだ桑山が、圧し掛かってきた。
「ああ、そうだ。金、渡しといたぞ」
「あぁ、ああっ」
剛直で貫かれ、腰を揺さぶられる。正一の体に乗った桑山が、性器で奥を突き上げた。
「あぁ、お、おくっ、おくぅ」
「お~、ここお前は好きだよなぁ」
腰を振る男が、やや乱暴に抜き差しをする。水音とくぐもった音が体内から漏れ出していた。だらしなく開いた口から、唾液が零れていた。
「あんっ!」
はだけた浴衣から、正一の乳首が露出していた。突起を摘ままれて、正一はひときわ甲高い声を出した。
……本当にオンナになったのかもしれない
桑山に吸われたり、噛んだりされた乳頭は腫れあがり、赤みを帯びていた。桑山の指が怪しく動き、今度は指の腹で押し潰される。
乱れた布団の上で、正一が体をくねらせている時だった。
「――なにコソコソしてんだ」
桑山が隣部屋に続く襖に向かって、声をかけた。動揺から、中を貫く肉棒を締め付けてしまった。
「――っ、あぁ~、おい、いんだろ?里中」
桑山が発した名前に、血の気が引いた。正一はこわごわと、襖に目をやった。ピッタリと閉じられた襖から、にゅっと指が入ってきた。
そこにいたのは、里中――だけではなかった。鹿俣と鈴見、三人の視線が絡み合う。食い入るような表情に、正一は悲鳴を上げた。
「な、なんでっ、なんでぇっ!」
「あぁ~、おい、締め付けんなよ。俺を昇天させるきかぁ?」
「んぁっ」
ごりっと正一の体から音が鳴る。汗を拭き出した背中をくねらせる教員の前に、ぞろぞろと三人が寄ってきた。
「盗み聞きしてんじゃねーよ」
「……すいません」
里中、鹿俣、鈴見は桑山に謝罪しながら――正一から目を離さなかった。魅入られたように、結合部をじっと覗き込んでいた。
「あ、あぁ、み、みるな、見ないでくれぇ」
抜き差しされれば、尻から体液が零れ、嬌声が洩れる。泣きながら哀願する教師を、じっと三人は見つめていた。
「センズリのオカズにしてたのか?」
「……」
下世話な質問に、三人が押し黙った。嫌な予感を覚え、正一は教え子の股間に視線を落とした。膨れ上がった下腹部に――気絶できたらどんなに良かったか。
「あ~、ちょっと待てよ」
「あぁ、あっ、く、くわやまぁ、や、やめて――ああっ」
正一の体内に突き刺さっていた刃物の先端が、膨れる。熱い飛沫に、内壁がきゅうきゅうと鳴き声を上げていた。
ずるりと刀を抜かれた鞘が、白い布団の上で、痙攣していた。
「いいぞ」
桑山の一言に、すぐさま三人の手が迫ってきた。腹を空かせた犬が、餌にむしゃぶりつく。正一の真っ赤に熟れた乳首を噛んだのは、里中だった。
「ひあぁぁっ」
「先生!んっ、おいしいぃ」
突起を噛まれて、引っ張られた。ぺちゃぺちゃと音が聞こえて、正一は手足をばたつかせた。乳に吸い付く教え子の頭を引き剥がそうと――腕を掴まれた。
息を乱した鈴見が、正一の両手を布団に縫い付けた。
「や、やめ、やめなさいっ――あっ」
蹴り上げようとした足を掴んで、股を拡げたのは、鹿俣だった。無表情で――劣情に濡れた目をした生徒は、股間に顔を寄せた。
「あぁ、かのまた!」
射精して萎びた陰茎を、咥えられた。口淫に躊躇いがないのか、鹿俣は激しく頭を上下した。じゅっぽじゅっぽと卑猥な音がするなか、桑山が笑い声を上げた。
「食べたかったか?里中」
「はい!先生の、先生のお乳っ、吸いたかったです!」
ふくらみのない胸を揉みながら、里中は乳首を啜っていた。痛みと快楽に、腰が跳ねる。正一の頭上で、獣が荒い息を吐いていた。
「いっぱい食べろぉ」
股間を拭いた桑山は服を着ると、書斎に肘を付いた。タバコを燻らせて、下卑た笑みを浮かべていた。
自分が食べた残飯を、若い獣が食べ尽すのを、鑑賞しようというらしい。嬲られる愛人が、弱々しく声を上げた。
「くわやまぁ」
布団で組み伏せられた身体に、男の手足が絡み合っていた。青白くなった細い足が、快感で揺れる。
「お前は可愛いからなぁ、こうなるんだよ」
「――ぃやあっ」
陰茎を咥えていた鹿俣が、陰嚢を揉み潰すように、弄り出した。どうやら正一が射精しないのに、焦れたらしい。
鈴口を吸いながら、押し出す様に陰嚢を揉む。快楽を強制的に引き出されても、正一は一度、放出している。
いたぶられ、泣き声を上げる男に、桑山は助け船を出して――やったつもりだった。
「そいつは雌孔の具合がいいぞ」
「……ここですか」
「ぁあっ」
ぬかるんだ場所に、鹿俣の指が容易に侵入する。新しい侵入者を食い占めるように、内壁が収縮していた。
「もうしっかり、オンナのアソコだよ。いや、そこらへんのパンパンよりいいぞ~」
無骨な手が、正一の秘部に入り込んでいく。桑山が出した精子と体液、グリセリンでぐちゃぐちゃになった場所を、鹿俣が覗き込んでいた。
「ああ、桃色だ」
「ひぁ、あんっ」
硬い屹立を受け入れていた孔はふっくらとして、朱に染まっていた。
「あー、鹿俣!俺が挿れる!俺が一番!」
「おい、俺も挿れたい」
乳首をこねくり回していた里中が、鹿俣を押しやった。荒ぶった鈴見が、抗議のように、掴んだ手頸に爪を立てる。
誰が最初に挿入するかと揉めだした青臭い獣に、桑山はため息をついた。手折られた花は、抵抗する気力もないのか、天井をぼんやりと見上げていた。
「やったぁ!俺が最初ね!」
ジャンケンに買った里中が、黄色い声を上げる。無邪気な様子で、ベルトを外し始めた。幼稚さが目立つ桑山の部下は、言動とは裏腹に、立派な雄の象徴を取り出した。天を仰ぐ屹立に、正一は絶望した。
「せんせぇ、だいすきぃ」
「―――ぁあ、っあ~~」
腰を掴んだ里中が、一思いに突き刺した。ぐちゅりと、零れていた体液が、結合部から溢れ出す。教師が体を痙攣させる様に、教え子は魅入られていた。
「あぁ、すごいっ、凄い!」
「あぁ、ああ、さ、さとな、かぁ」
名前を呼んだのが、気に入らなかったのか、赤くなった乳首を、鹿俣が乱暴に捻り上げる。身をくねらせたくても、鈴見に拘束されて、動けない。正一は涙を流していた。
夢中で腰を振る教え子は、頬を赤くしていた。
「先生の中、極楽だよ……っ俺、いま天国にいるんだ……」
陶然と呟く里中が、思いのたけを暴発させた。どろりと白濁液が溢れた尻穴に、違う手が這う。鹿俣と拘束役を交代した鈴見だった。
「先生、お慕いしておりました……」
頬を染めた青年は、ためらいもなく、男根を突き入れた。里中は太かったが、こちらは長さがある。串刺しにされて、正一は呼吸を忘れた。
「先生、息吸って」
「あぁ、――はぁ、ああんっ」
汗で額に張り付いた前髪を、里中に拭われた。熱い接吻を繰り返すと、首筋や乳首を甘噛みする。
きゅうきゅうと鳴く内壁の――外側から腹を探られ、嬌声を上げた。イチモツを咥えた腹はぱんぱんで、ちょっとした刺激に正一は声を上げた。
「あ、締まる――本当に極楽だな」
気だるげに息を吐いた鈴見が、奥深くに射精した。何本も肉棒を咥えて、正一の脚は閉じることもできなくなっていた。
犯され続けた穴を曝け出した教師に、鹿俣が圧し掛かった。
「おい、鹿俣。壊すなよ」
「……分かってる」
里中の声に、鹿俣は不機嫌そうな返事をした。
どういう意味だ……すぐに意味を理解した正一は、嗚咽を漏らした。下着から飛び出してきたのは、凶暴なまでに太さと長さがある竿だった。
馬並みの男根に、正一は弱々しく首を振った。
「ぃや、いやぁ、入らないぃ!」
「先生……」
逃げ出そうとすれば、里中に下腹を弄られ、鈴見に腕を捻り上げられた。首を赤くした脊年が、そろそろと先端を後孔に押し当てる。
「……ぐぁ、゛あ、ああ、がっのま、たぁ」
みちみちと内壁を拡げられる感覚がした。正一の背中が、衝撃で曲線を描く。圧倒する質量に、毛穴から汗が噴き出した。
「あ、あぁ~~~」
「先生っ、……とろとろだ。凄い」
巨根を受け入れた腹を、里中が指先で揉みだした。過ぎた快楽に、正一は号泣した。半分挿入されたところで、正一は懇願した。
「も、もう、い、いれないでぇ、こわれるぅ!」
鹿俣は聞こえていないのか、腰が揺らめく。教え子は苦しそうに、顔を歪めていた。
「こ、こわれるっ、こわれりゅ!アソコ壊れちゃうぅ!」
泣きじゃくる正一に、鹿俣が腰を打ち付けた――衝撃に、声を失った。ごつ、ごつ、極太の杭が、奥の一点を突く。
――脳内で、何かが弾けた。
「ああ、ああっ、おく、おくっ!そこっ、そこぉ!すきぃ!」
口から泡交じりの唾液を零しながら、正一は悶えた。怒張した男根が、答えるように、乱暴に突き上げる。
激しく体をくねらせる姿に、教え子が息を呑んだのを――正気を失った正一は、気が付いていなかった。
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