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あれから、ツキコちゃんはリハビリに励むようになった。
今度はみんなで屋上に登って星が見たいんだそうだ。木村先生は私の顔を見たあと「もう許可はもらってあるから安心して」と笑っていた。
「神様なんてこの世にいないの」私は今だったら素直に言えるかもしれない。
「神様なんてこの世にいないの。……でもね、自分を幸せにするのは神様でもお医者様でもなくて、自分なの。好きなことを好きっていうのに神様なんていらないの」
神様がたとえいなくても。
ヨウ君は今日も笑ってツキコちゃんは星が好きで、木村先生はずっと真面目で土屋先輩はいつも通り優しい。
神様なんていなくても、星降る夜だって奪われても、私達は私たち。勝手にやる。
「星野さーん。行くよー」
「はーい」
今日も私は私の好きなこの仕事を全うする。
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