見知らぬ世界(side リュシアン)

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それから俺は、ユーロジアでの亜里沙と俺のことを話した。 亜里沙との出会い… 亜里沙がアドルフの側室になったこと、そのアドルフが死んだこと… そして、亜里沙を妃に迎えようとしていたことを… 祐一が、俺の話を信じたのかどうかはわからない。 ただ、彼は俺の話を黙って聞いてはくれた。 「お兄ちゃん…信じられないと思うけど… リュシアン様が話されたことはすべて真実なんだ…」 「亜里沙……」 「私がなんとかする。 私…もう体はなんともないし、働いて、リュシアン様と一緒に暮らして…」 「だめだ!」 それはとてもきっぱりとした声だった。 「おまえが苦労することを許せるはずがないだろう。」 「亜里沙には苦労はさせない。 俺が働いて…」 「あんたに何が出来るっていうんだ? この世界には吟遊詩人などいない。 職業として成り立たないし、狩りも必要ない!」 「お兄ちゃん!何もそんなこと、今、言わなくっても良いでしょ!」 亜里沙が感情的な声を上げた。 「最初からはっきり言わなきゃだめだ。 とにかく、父さんや母さんに連絡する。 すぐに来てもらうから… お前たちはここにいろよ!」 祐一はそう言って、席を立った。
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