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ようは朝敵となり、公に武器の補充も出来なくなってしまった長州に、薩摩名義で武器を購入してもらい、竜馬の結成した「亀山社中」の手で長州に武器を搬入してくれないかという案であった。
「それは面白い」
竜馬は少年のような笑顔をみせる。
「僕は明日にでも上方へ発ち、その件、西郷さんに首を縦に振らせる!こんどこそはしくじらん!桂さんみておってくれ!」
慎太郎は優しさの中に鋭さのある眼差しで桂を見ると、碗の中の酒を一気に体内へ流し込んだ。
翌朝、日の昇りきらぬまに慎太郎は下関を発ち、西郷の待つ上方へ奔りはじめた。
おしまい
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