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初めての結婚記念日 11
「わぁ凄い!」
エレベーターを降りた蓮は、驚きでいつもより大きな声が出た。
エレベーターの扉が開かれると、そこはワンフロアー 。床には明らかに他の階とは違い、歩くと靴が少し埋まるぐらいの絨毯が敷き詰められている。
「素敵すぎる!」
部屋のドアを開けると、あまりの豪華さに蓮は部屋の中が気になり小走りで真司より先に部屋に入る。
リビングに入るとすぐ目の前に壁一面、大きなガラスがはめ込まれ、そこからはキラキラと輝く夜景が広がっている。
そして机の上には…、
氷の入ったワインクーラーにシャンパンが2本と、色とりどりのフルーツの盛り合わせ。薔薇の花束が高級な花瓶に生けられ、縁には押し花が散りばめられたポストカードには『Wedding Anniversary』と書かれている。
これってもしかして……!
その豪華さに目を見開いた蓮は、真司の方を振り返ると、祈るように掌をぎゅっと組み、
「結婚記念日だから…、特別にしたくて…」
少し不安そうな真司がいた。
「!!言葉では表せないぐらい、嬉しくて幸せだよ!」
蓮は真司に駆け寄り、瞳には感動の涙を浮かべながら抱きしめ頬にキスをする。
「ありがとう真司。こんなに素敵なサプライズがあるなんて、思いもよらなかったよ」
感動で蓮の心ははち切れそうだ。
真司はいつも俺が考えている以上のことをしてくれて、驚かされっぱなし。
強く真司を抱きしめると、
「実はサプライズ、まだあるんだ」
「サプライズまだあるの!?」
「そろそろ、その時間なんだけどな〜」
真司が腕時計で時間を確認したタイミングで、部屋のベルが鳴る。
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