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初めての結婚記念日 13
「本当に!?よかった〜〜。蓮が嫌だったらどうしようかと思ってたんだ」
真司は胸に手を当て、その場に座り込んだ。
そんなことあるわけない!
そう蓮は言いたかったが、感極まり過ぎて言葉が出ない。
「さ、蓮、座って」
真司は蓮の手を引き、再び椅子に座るように進めた。
「本当はさ、セッティングとかボーイさんがしてくれて、食事中は俺たち後ろにいて食事のタイミング見計らって次の料理を運んでくれるみたいなんだけどさ、俺は蓮と2人だけで、ゆっくり食事したかったから、断ったんだ」
「…」
「テーブルセッティングは蓮に教えてもらってたし、料理の順番もタイミングも教えてもらった。だから蓮、今日はゆっくり食事を楽しんでよ」
そう言いながら真司は手早くテーブルセッティングを済ませ、食前酒、付け合わせ、前菜を運んだ。
「えーっと食前酒はシャンパンで…、あれ?付け合わせはの名前はなんだっけ?…。あれ?緊張しすぎて頭真っ白…。せっかくあのカタカナいっぱいの長いメニュー名覚えたのに…」
必死に思い出そうと、真司目は上を向いたり横を向いたり料理を凝視したり、『考える人』のように指の上に顎をおいたり…。
そんな真司の姿が可愛すぎて、蓮は笑いそうになる。
『なんとかのなんとか』がほとんどじゃん。
それに俺のために頑張り過ぎて、全部忘れちゃうなんて。
なんて可愛すぎて、真司へ好きが止まらないよ。
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