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たかが物資の護衛に、訓練生っぽいとはいえ霧航士をつけるのも大盤振る舞いすぎる。それとも、運ばれてくるものがそれほど重要なもんなのか。平和なだけが売りのうちに厄介なもんを持ち込むのは、正直勘弁してほしいんだが――。
『それが「備品」だ、死守してくれ!』
うん? 今、何て言った?
俺の耳が悪いのか。音声でなく魂魄レベルの通信だから、そうそう聞き間違えることもないと思うんだが。
向こうさんの意図が気にはなるが、聞き返している暇もない。死守すべき対象が『レディバード』である以上、とにかく動いてから考えるしかない。
ふわふわ弾むように飛ぶ『レディバード』とそれを追う戦闘艇の間が開いた瞬間を見計らって、飛行翅を一つ打ち鳴らし、その空隙に滑り込む。
『あ』
『何だかよくわかんねーけど助太刀する。下がってろ』
戸惑うような声を上げる知らない霧航士に声をかけるのと、ほぼ同時に。
『ゲイル・ウインドワード……。本当に、こんな辺境にいるとはな』
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