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かの教団が女王国軍、というか俺に恨みがある、というのはまあわかる。だが、こんな辺境に向かう輸送艇を襲撃して何になるというのだろうか。俺の疑問は、そのまま向こうさんの疑問でもあったらしく、訝しげな声が返ってくる。
『何故この輸送艇と備品が狙われたのかはわかりかねます』
やっぱり、備品って言ってるよなあ……。
疑問に疑問が重なって、何だかよくわからなくなってきた。ので、一旦考えることを放棄して、ふわふわと頼りなげに浮く『レディバード』に声をかける。
『あーっと、そっちは大丈夫か、「レディバード」の』
そういえば名前をまだ聞いていない、と気づいたが、正直どうだっていいと思いなおす。どうせ、基地に着けば任務終了、その後のことは俺のあずかり知らぬことだ。
『大丈夫。です』
一秒くらいのラグの後、たどたどしい、子供のような声が聞こえてきた。「青い」イメージを連れてくる、感情の動きがほとんど聞き取れない淡々とした声。声音から判断すると女、だろうか。つかみどころのない、妙な響きの声だ。
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