出会い

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「また馬鹿なやり取りしてる」 「何故私まで馬鹿のくくりに入ってるのですか?」 「我々の業界ではご褒美です!」 「ダメだこの人······早くなんとかしなければ······」  俺とゲブの言い争いを罵倒してきたその声の主は、多種多様な書籍が積まれた本棚に囲まれたソファーから読んでいた本をテーブルに置き、怪訝な顔で見てきた。もっとも、その顔も可愛いのだが。  彼女の名前はテミス。テミスはギリシャ神話に出てくる、法と掟の神。位置付けはティーターン。  ギリシア神話においては、ティーターンとオリュンポス神の戦いの後、敗れたティーターンは主要な神の地位を失い、神話においても多くの神が言及されなくなり、また地位が低下している。  だが、オリュンポスの時代になってなおその地位と威勢を変わりなく維持した神はテミスだけな事から、それ程までに彼女の存在は特別なものなのだ。  っと!少し講釈が長くなったがそれはさて置き、テミスの姿に注目してほしい!  金髪のゆるふわロングに碧眼!ティーターンとは思えない小柄な出で立ちで現世での年齢帯としては10歳前後の容姿に神の神々しさで可愛いのに美しいときた。  そして何よりクールな性格なのに、たまに見せるデレた時のギャップがたまらない!
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