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「仕方ない。ちょっとおやっさんの所に顔を出してくるよ」
バイクの鍵を取り、愛用のライダージャッケトとヘルメットを手にし準備を整える。
「依頼内容把握の為ですか?」
「いや、おやっさんに文句を言いにと、思兼神の契約更新をしにね。それに······」
「それに?」
「依頼内容はもう全て頭に入れているよ」
「さすが神藤。だけど、いつもその位のやる気は出してほしい」
「いくらテミスのお願いでもそれは聞けないな」
「テミスからのお願いなら、全て聞くと思いましたよ」
からかうように言うゲブに苦笑した後、俺はマジメな顔で言った。
「聞きたいのは山々だけど、僕がやる気を出したら世界の秩序なんてなくなる。それに神様を派遣してほしいなんて、人の勝手なワガママだろ?」
いつもと違う雰囲気とその言葉に、二人は何故か笑みを浮かべて僕を見送ったのだ。
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