吉川尊の物語1

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2.  高校二年生の夏の話だ。  その頃の僕はと言えば、身長が伸びない事にコンプレックスを抱えるごくごく普通の男子高校生だった。  とりわけモテる訳でもなく、勉学に置いて優秀な成績を収めている訳でもなかった。部活はバスケットボールをしていたが身長のせいもあって目立った活躍など出来なかった。  特徴らしい特徴も無く、強いて言えば人より不器用だったのかもしれない。大多数が目を瞑る出来事に対し、そうする事が出来ない損な性格だったと言える。
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