店員様は神様です!

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「はぁ、わかった。今後はあんたに捧げるお神酒を少し高いものにするから、それで許してよ」 「うむ、それでいい」  クソ野郎は実にクソ野郎な陰湿極まりないムカつく笑みを浮かべながらそう言った。 「でも、あんただって唯一の信者たるこのあたしがもし社会的、肉体的に死ぬようなことがあれば信仰を失って消滅するってこと忘れないでよ?」  あたしの反撃にクソ野郎は嫌そうな表情を浮かべる。 「ぐっ、痛いところをつきおって」 「あんたも神様なら御利益として店が繁盛するようにするとか、あたしに良縁が訪れるようにするとかしなよ?そうしたら、もっといいお酒を捧げることができるし、子供ができればあたしにもしものことがあっても信仰が途切れるようなことはなくなってウィンウィンじゃない?」 「はっ!それは無理だな!」 「なんでよ!」 「言ったろう?ぼくは『戦の神』だ。あの中年男のように争いのタネを招くことはできるが、商売繁盛や子孫繁栄といった願いを叶えることはできん!」
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