少女と恋と戦神 前編

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 大体(だいたい)誰だよ、コンビニは年中無休で24時間営業が当たり前(デフォ)なんて鬼畜なこと言いだしたのは?  そいつの耳元で24時間365日コンビニの入店音が鳴り続ければいいのにと、わりと本気で思う。 「ずいぶん陰湿な嫌がらせを思いつくものだ。相変わらずお前は性格が捻くれているな」  ため息混じりの声がするほうにあたしが顔を向けると、そこには引っ叩きたくなるほど顔の整った男がいた。 「なんで人の心を読めるの!キモいなぁ、もお!!」  舌を突き出しながら言ってやると顔面カンスト男は胸を張りつつ尊大な様子で答えてきた。 「なにせ、ぼくは神だからな」  普通に考えれば(すべ)(たお)した冗談か、中二病を拗らせた人間の発言だがタチの悪いことにこの男、本当に『神さま』なのである。 「……ちなみにどこまで読めてるわけ?」 「まぁ、さすがに人の心全てを読むことは出来ないけど、単純な人間……例えばお前みたいなヤツの浅い考えを読むくらいなら簡単にできるね」  嫌味に致死量があるなら、あたしは即死してたろうなってくらい嫌味たっぷりにヤツは言ってきた。 「悪かったわね、単純人間で。つか、ンなこと言うためにわざわざ来たの?」
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