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「聞いてくださいよ、宮藤さん〜」
あたしがイートインスペースの席に座る(ウチの店のイートインスペースには4人がけの席がある)やそう言ってきたのは店の常連、未來ちゃんだった。
たしか現在、店の近くにある高校へ通う2年生で陸上部に所属しているショートカットの可愛らしい女の子だ。
あ、ちなみに『宮藤』ってのはあたしの苗字だ。フルネームは宮藤真那。よろしくね。
「どうしたの、美玖ちゃん?」
「あのですねぇ、実は私、同じ部活の先輩に片思いしてるんですけど……その先輩には他に好きな人がいるらしいんですよ!」
おお、青春してるな〜
実に若人らしい悩みである。
なるほど、それで美玖ちゃんはわざわざ休みの日に家から離れたこのコンビニを訪ねてきたわけだ。
知り合いの中で(多分)1番年上かつ彼女の友人たちと接点が薄そうで噂の広がる恐れがないあたしに相談するため。
しかし、美玖ちゃん。それは悪手だよ。
なにせ、あたしには恋愛経験がほとんどないからね!
だから、相談されても『あ、はい、そだねー』くらいしか言えることはないと断言しよう!
……いや、断言してどうする?
仕方ない。ここは人生の先輩として一つビシッと頑張ってみるか。
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