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「う、うーん、でもまだその男の子に恋人が居ると決まったわけじゃないんでしょ?だったらまだ美玖ちゃんにもチャンスはあるって!」
自分でもドン引きするくらい適当かつ当たり障りも有り難みも何もないアドバイスが口からまろび出た。
頑張る、とは?
「だ、だけど先輩が好きな人って美人でバレー部のエースで、生徒会長で、学年成績が常にトップで、しかも家がお金持ちなんです」
そんな人間実在するんだ、とあたしは感心する。
「あ、いや、でも……ほら、世の中の半分は男なんだし他にもいい男はいるよ!よし、今日はあたしが奢ってあげるからポテチでもジュースでもスイーツでも好きなものを食べな!」
「秒で諦めないでください!相談してるんですから……でも、新作のパフェは食べたいです」
半泣きになりながらもちゃっかり美玖ちゃんはそうリクエストしてきた。
苦笑いしながらあたしは頷くと席を離れ、店の冷蔵機から美玖ちゃんご所望のパフェを取るため手を伸ばす。
「ずいぶん困ってるようだな」
声と共にスッと別の手が伸びてきてあたしより先にパフェを掴み取る。
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