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「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
そんなあたしの視線を知ってかしらずか、男はまるで春風のような爽やかな笑みを浮かべ会計を済ませたお客さんを送り出しているところだった。
ちなみに、そのお客さんは男性のお客さんであったけど、男女分け隔てなく魅了する彼の微笑みにちょっぴり頬を赤らめていた。
………これはもしや、新しい世界の扉が開いたか?いや、別に個人の趣味に口出しする気はないし開いてもいいんだけど、そのきっかけがうちの店員というのもどうなのかという気はする、この店の店長として。
あ、申し遅れましたが、あたしこの店の店長デス、はい。
「だから、聞いてるのか、お前!あのなぁ、女だからって社会舐めてんじゃねぇぞ!」
しばし、ぼんやりしてたあたしにおっさんは声を荒げる。ああ、ごめん、ごめん、長くて着地点の見えない話にすっかり聞く気が失せてたわ。あと女性蔑視は一番嫌われるし叩かれる発言だぞ☆
「………申し訳ありません。ですが、私もお客様にご迷惑をかけないよう、タバコの銘柄番号をお聞きしたのですが」
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