店員様は神様です!

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「他の方々に迷惑ですからもうお帰りください、お客様……今の会話はほらこうして」と言ってクソ野郎はいつの間に用意したのか掌の中に握ったボイスレコーダーを出しおっさんに見せつける。「録音しています。そして、ぼくははっきりお客様に店からの退出とその理由をお伝えしましたよね。これでもお客様がまだ店に残ると仰るのなら営業妨害に当たりますよ?警察沙汰です。もっとも、これで逮捕されてもさほど大きな罪にはならないでしょうけど。ですが、社会的な信用はどうでしょうか?お客様がお勤めになっている会社はどう思うでしょうかね?よく、お考えください」  と言ってクソ野郎はにっこりと笑った。見るまにおっさんの顔から血の気が引いていく。 「これが、現代の神殺しです。さて、お客様。どうか寛大なお心でこの不躾な店員をお許しくださいますよう、お願い申し上げます。それがきっと…お互いにとって一番賢い選択であるとぼくは思いますよ?」
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