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「もうそろそろ、かな」
望遠鏡で空を見ている部員たちに、腕時計で時刻を確認した部長が教える。
私は柵に体重を預け、身を乗り出すようにして空を見上げた。
「いっちゃん、落ちないようにね」
「うん」
隣に並んだみっちゃんの注意に頷くものの、意識は空にばかり向いていた。
「「あ!」」
数人の部員の声が重なる。その中には、私と部長の声もあった。
1つの星が空に線を引いて消えていった。その1つを皮切りに、いくつもの星が降ってきた。
「願い事しなきゃ!」
みっちゃんが慌てて願い事を口にする。しかし、星が消えていく方がはるかに速い。
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