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あるところに天使になりたいという、変わった悪魔が居ました。
「ああ、どうしたら天使になれるのだろう……」
悪魔は黒く淀んだ魔界の空を見上げて、一人嘆きます。
「天使になって、あの美しい、純白の翼が欲しい……」
悪魔の頭に思い浮かぶのは、ある時、人間界で見かけた天使の真珠のように白く艶やかで、それはそれは美しい翼。その光景は、今でも悪魔の目に繊細に焼き付いており、忘れることは出来ません。
ですが、悪魔の背中に生えているのは、黒くゴツゴツとした酷く醜い翼で、悪魔が欲しているものとは全く逆のものでした。
自らの背に生えたものを見て、酷く憂鬱な気持ちになった悪魔が苦しげにため息をついた、その時でした。
「また、悩んでいるのかい?」
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