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「僕、人間の指を油で揚げたやつ、大好きなんだよね。あ、でも、大人のは硬くて不味いから、きらーい。子供の指が一番柔らかくて美味しいよね! ……ああ、話てたら食べたくなっちゃった。……ねえ、行こうよ?」
彼は薄紫色の唇を涎でてらてらと濡らし、薄気味悪く笑うと、再び悪魔を狩りに誘いました。
一方、黙っていれば永遠に話しかけてくる彼に悪魔はだんだんと苛立ちを堪えきれなくなり、ついに口を開きました。
「うるさい! そんな野蛮なものには行かないからな! 私は天使になる方法を探すのに忙しいんだ!」
突然、大声を上げた悪魔に彼は呆気に取られて、一瞬言葉を詰まらせましたが、直ぐににやにやとした表情を浮かべて、口を開きました。
「もう、そんなに怒んなくても良くなーい? てか、そんなに天使になりたいなら、神にでも頼めばいーじゃん」
「……それだ!」
やっと探し求めていた答えを見つけた悪魔は、目を見開き、闇に染った赤い瞳をキラキラと宝石のように煌めかせると、醜い翼を広げました。
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