#2 自分勝手な愛でも

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#2 自分勝手な愛でも

痛い…痛いぞ… 体も、頭も痛い…とりあえず水… なんとか布団から起き上がる… 昨日確か、お酒を悠李さんや千雪先輩が飲んでたから一緒になって飲んでたら気持ち良くなってきて… 何か凄く、…悠李さんに… 恥ずかしい事を言ったような…、 「思い出せない…」 そんなことを思いながら、ベッドから降りようとした時に驚くべき光景を見てしまった… ここは確かに男子部屋…なのだが… 隣で寝ている春輝先輩の…横に… 「ちゆ先輩?なんで…」 何故か嬉しそうに寄り添って千雪先輩は寝てる。 俺は悠李さんと付き合っていながら同じ布団で寝たことなんてなかった。 羨ましい… …とりあえず見て見ぬ振りをしようとリビングに行き、お茶を飲む… 生き返るなぁ…なんて考えてるのに。 やっぱりなんだろう…もやもやとする。 悠李さんは、そういうのは迷惑なのかな… 不意に女子の部屋の方をちょっとだけ見ると 扉が開いていた。 少しだけ、寝顔が見たい。 ドキドキとしながら部屋に入ってみる。 起きてしまう前に… 女子の部屋に入っていけば、 怒られるような気もする… 悠李さんは、どこか真面目そうなイメージもあるし俺だって普段ならしない。 でも、千雪先輩が来ていたんだし… そっと、悠李さんのベッドに近づくと、 すぅすぅと寝息が聞こえた… 可愛い… ゆっくりと隣に座り込む。 昨日確か俺、悠李さんにキスをしようとして… …できなかったよな… ドキドキと心臓が早くなる。 今、してもいいだろうか。 まだ酒が抜けきってないのか… 誰も見ていないなら… そっと手を伸ばし、悠李さんの前髪を避ける。 サラサラとした髪に触れると愛おしさが増した。 好きだな、なんて何回でも再確認してしまうくらいに… 「…ん…」 その瞬間、悠李さんが身動いだ。 まずい、退散しようと立ち上がるとパッと手を握られた。 「おはよう…萌くんどうしたの?」 まだ眠たそうな悠李さんが凄く可愛くてドキドキしてしまった。 「おはよう…えっと…」 どうしようか迷ったがこの際正直に言ってみよう。 「悠李さんの…寝顔が見たくて」 「ゆりの?」 不思議そうにしている… 突然過ぎてしまっただろうか… 悠李さんが体を起こしあげて周りを見回す。 「ちゆは、もう起きたんだ?」 「それが…」 春輝先輩との部屋にいつの間にか千雪先輩がいた話をすると、 えっ!まずくない?なんて立ち上がっていってしまいそうになるので、思い切って後ろから抱きしめた。 「?…萌くん?」 悠李さんの心臓がドキドキいってるのが、 腕に伝わってくる…強く抱きしめ過ぎだろうか… 「ちょっとだけでいいから…俺も…悠李さんと一緒に並んで寝たい」 「…うん…」 そう言って、布団に2人で並ぶ。 幸せ過ぎて俺は並んでるだけでもよかったけれど、 悠李さんがそっと俺の腕に頭を乗せてくる。 腕枕の状態になって「重くない?」って聞かれたが全く重くなかった。 悠李さんならいくらでも身を寄せていて欲しい。 「ごめん…」 思わずぎゅっとまた抱きしめてしまう。 昨日本当に心配したからこうやって近くに悠李さんを感じていたい。 「ねぇ、萌くん」 悠李さんが見つめてくる… …これって… キスしていいって事かな? 「朝からお暑いね〜この部屋だけ温度違くなーい?」 「はるくん!ダメ!」 急に声がして悠李さんとビクッとなってしまった。 部屋の扉越しに、春輝先輩と千雪先輩がいる。 「はーるーきーーー!!!!」 悠李さんが枕を握り締めて春輝先輩に投げた。 それをキャッチして「おはよ〜」なんで普通に挨拶をしてくる。 「なんでそんなタイミングで入ってくんの??」 「丁度よかったでしょ?」 「よくねぇよ!」 ガヤガヤとしながら、悠李さんが春輝先輩に文句を言いい部屋を後にする。 俺は「はぁ」とため息をついた。 「ごめんね?」 千雪先輩が申し訳なさそうに俺にいう。 「いや…いいですけど…」 本当は全然良くない。 それもあったが不意に気になることがあって質問してみる。 「…なんか、ちゆ先輩って春輝先輩と仲良すぎませんか?」 「そうかなぁ?みんな仲良いよね?」 …前々からどうも距離感が不思議な先輩だなぁとは思っていたが… 良くも悪くも男性からしたら勘違いを起こす人がいたり、女子からしたら妬まれやすそうだな。 掴みどころがないという感じにも思う。 「なんで邪魔…いや、こっちの部屋に来たんですか?」 「あ!もう豪さんが迎えに来てたの〜…だから、起こしてあげなきゃかなって思ったんけど…」 それは、微妙なタイミングにイチャついてしまったな… 「行きましょうか…」 俺は立ち上がって千雪先輩と一緒にリビングへ向かった。 朝食を食べ片付けをして荷物をまとめて海へ向かう、 1日目から、いろいろ考えさせられたし、 こんなにも自分が独占欲があるなんて思ってなかった… そんなことを思っていると、 ふと春輝先輩と目があった。 ニヤッと笑う先輩は、 俺の心でも見透かしてるんだろうか… 負けたくないな… そう思ったら、にっこりと笑い返していた。 … 「海だーーーーーー!!!」 春輝が嬉しそうに車から降りて叫んだ。 意外と海に人が溢れてるってことは無く、 夏休みだけど遠出したからなのか、 はじめてくる場所だけど悪くないなって思う。 「ハルちゃん、ちゃんとパーカー着ないと怒られるからね?はいこれ」 豪さんがお母さんみたいに春輝にバックを渡す。 「毎年監視員うるせぇよな、海外いきてぇ」 タトゥーのことを言ってるんだろう… 確かに豪さんほどじゃないけど高校生にしては入れ過ぎじゃない? 「悠李ちゃん!向こうだって!」 千雪がわたしを引っ張る。 水着に着替えるのか…ちょっと緊張する。 萌くん可愛いって言ってくれるかな。 「じゃあ行ってくんね」 春輝に声をかけると「はーい」と返事をされた。 男子も水着か…ちょっと楽しみだなぁなんて思いながら着替えに向かった。 … 「更衣室、結構混んでるねー?」 千雪がチラッと覗くが、確かに結構並んでいた。 やっと順番が来るとわたしの手を引っ張り 「一緒に入っちゃおう?」と言われた。 「うん!」とは返事したけど、 こんな近くで女子と一緒に水着に着替えるのは、 あまりないのでドキドキしちゃう。 「ゆりちゃんは、どんな水着にしたの?」 不意に千雪が聞いてきた。 今回旅費が殆どかからないし、 新しく水着を新調した… 萌くんと付き合いだしてはじめての夏だし気合い入れてる。 大人っぽいようで可愛い白と赤ピンクの水着。 「こんな感じだよ?」 なんて私が見せると、可愛い!萌くんはゆりちゃんみたいな彼女がいて幸せだね〜?なんて言われ嬉しくなっちゃう。 千雪って欲しいなって言葉をくれるから、 本当に一緒にいると元気が出る。 「ちゆは?どんな水着にしたの?」 「これだよー!」 黒いワンピースの水着を見せてきた、とっても大人っぽくて肩のリボンが可愛い!…いいなぁ、千雪に彼氏がいないのが不思議でならない。 私だったら絶対幸せにしようって思っちゃうけど… 「ちゆ、絶対似合うよ!可愛いね?…」 「ありがとう〜」 2人でいろいろと話をしながら、 着替えを後にする。 車まで戻ると、そこには萌くんしか居なかった。 「おまたせ〜」 私が萌くんに話しかけると。 「結構時間かかってたね…混んでた?」 なんて聞かれて、水着について ふれてくれないなって思っていたが… 「…それなりに並んだかなぁ…」 「えっと…可愛い…ね、水着」 と、萌くんが少し顔が赤くなっていってきた。 可愛くて海最高じゃんって思っちゃったし…思わず萌くんの手を取る。 「ありがとう」と私が言うと照れ笑いをするから、 つられそうだった。 「ちゆ先輩も可愛いですね!黒大人っぽいです」 「ほんとー?ありがとう!萌くんも黒に統一してあってかっこいいね〜」 「ありがとうございます」 萌くんに言われて嬉しそうにする千雪は大人っぽいけど本当に可愛いなぁなんて思っていると、 千雪が口を開いた。 「はるくんどこにいるの?」 そうだ、すっかり忘れていた… 春輝ってどこに居るんだろう。 「…あそこに」 パッと指を刺された先を見ると豪ちゃんと一緒に水辺でビーチバレーのような事をして既に遊んでいる…しかも知らない女子まで混ざって。 何というコミュニケーション能力… というかナンパか… 「呼んでくる?」 萌くんに言われたが、楽しんでるなら放っとこう… と思ったら急に春輝が走ってきた。 「めちゃくちゃ遅くねぇ?…つか色気ねぇ水着だな〜」 と最悪な第一声だった。 わかるよ、お前は今遊んでる女の子達みたいな、 セクシーなビキニとかが好きなんだな? そんなことを思ってると、 「ちょっとね、更衣室が混んでたの…はるくんは、こういう水着は好きじゃないの?」 と千雪が自分のスカートをパタパタしている。 普通に可愛いと私は思うんだけど。 「うん、俺はね…あーいうのが好き♡」 「そっかぁ…」 ギャル達を眺めながら千雪が残念そうな顔をした。 別に春輝に喜んでもらうような水着を着なくてもいい!今の千雪は世界一可愛い!と私が反論しようとすると。 「でも、そういう水着の方が変なやつ来ないから安心だね〜いいんじゃない?」 とニコニコ優しく千雪に言っていた。 なんだろう…子を見る親みたいな…見たことない優しい顔だな…なんて何だか違和感を感じた。 「本当?」 納得いってないような顔の千雪だけど、 春輝の言ってることは正しい。 海とか春輝みたいにチャラいやつらばっかなんだから…完全防備しておかなきゃ駄目だし。 「俺、もうちょっと遊んでるから3人で適当にしててーーー」 なんて、さらっと消えてしまうかと思ったら、 千雪が春輝の手をパッと掴んだ。 「はるくんまって、私もそっち行く」 それは意外な言葉だった。 「え?ちゆ、こっちにいなよ?…春輝といても…」 と言いかけるが、春輝が「ん、おいで〜」と千雪をいとも簡単に持ち上げて塀の向こう側に連れ去った… 「2人でゆっくりね」 と春輝が私と萌くんに笑いかけてきて意味を察する。 そういうところは気が効くじゃん。 私は残された萌くんと目があった。 「いこっか」 なんて優しく笑いかけてくれる。 「うん」と言って荷物をまとめ 2人で海に向かった。 …… 「豪ちゃん〜」 はるくんが何やら豪さんと話をしていた。 ポツンと取り残されて寂しいなぁなんて思っていると、周りにいたギャルのお姉さん達が話しかけてきた。 「何?この子って彼女?」 「いや、違くない?釣り合ってないし〜」 「わかる〜」 3人組のギャルはギラギラしていて、 私にはちょっと無縁なタイプで、 愛想笑いしか出来なかった。 怖いな… …釣り合ってない…かぁ… 確かに、はるくんって派手な感じだし… パーカーを今は着ていないからタトゥーも普段見えてなかった足とか腰や背中にも所々にあるのがわかった… 身長もあって細身だけど筋肉もあるから、 なんか水着だとイメージがまた違うな。 思わずじっと見つめてしまった。 「何話してんの?」 不意にギャル達に、はるくんが近づいてくる。 「いや、彼女なのかな?って話てたんだけど」 「あぁ」 はるくんが私をチラッと見てきた。 どうしよう、笑えない。 久しぶりに不安がいっぱいだった。 はじめくんや、ゆりちゃんを2人っきりにしたかっただけなんだけど… 「…そうなんだよね〜俺の彼女だから、虐めないであげてー?いこっか、ちゆ」 そう言って、私の肩を抱くようにして歩き出す、 ギャル達は何か言おうとしたが豪さんに止められていた。 「ちょっと我慢してね」 そういって、はるくんがサングラスを外して屈んできた…どういうこと? すっと頬にはるくんの唇が当たるような当たらないようなギリギリの感じがあってもどかしくなる。 そっか、彼氏のフリをしてるんだ。 あの時みたいに…ちゆが不安そうだからかな? 申し訳なくなって、 「はるくん、もうちょっと屈んで?」 と言って屈むように促すと「うん?」と不思議そうにしていたが思い切って頬にキスをした。 「…ち、ちゆはしなくていいよ!」 ビクッとした、はるくんが口元を押さえながら、 ちゆから離れる… あれ?顔が赤くなってる? さっきまでそんなことなったのに…… もしかして… することはできるけど、 誰かにしてもらうことには慣れてないのかな…? なんだか普段と違って、ちょっと可愛いかも。 そう思ったら不安だった気持ちが和らいだ。 「豪ちゃんに、頼んだからアイツらは気にしないで…俺と…遊ぼうか…2人になっちゃってごめんだけど」 「ううん、はじめくんやゆりちゃんの邪魔ばかりしちゃったから…少し2人っきりにしてあげたいし大丈夫だよ?」 ちゆがそういうと、「邪魔してんのは俺だけなんだけどね」なんて笑っていた。 でもきっと、それにも意味があるんだろうなぁ… 誤魔化されることもあるし、 本音かどうかもわからないときが結構あるけど、 もう少し心を開いてくれたら、 はるくんのこと理解できるのかな。 そんな風に思いながら、 海での時間を過ごした。 …… 「日が暮れてきたね…」 萌くんと、ひとけが少なくなった海で一緒に手を繋ぎながら歩いていた。 海で泳ぐのも疲れたし、私服に着替えて春輝や千雪を待っている。 その時間ゆっくりと萌くんと歩く。 本当はせっかく来た海だし、 春輝や千雪と一緒に遊びたい気持ちもあったが、 2人して私達に気を使ったんだろう。 向こうは向こうで楽しそうだったから、 いいんだけどね… また遊びたい時に2人には声かければいいし。 2年生ってだけで話しやすいから… まだまだたくさん遊べるよね。 なんて考えていた。 「なんだか不思議だな…」 急に萌くんは海を見て立ち止まった。 「どうしたの?」 「いや…悠李さんとこうやって並んで歩いてるのが本当に幸せで…」 それは私もだった。 こんなに優しく私を愛してくれる人がこの世にいるんだろうか… 私は過去、恋愛で失敗している。 中学に上がり、 同じクラスの男子に恋をした… 自分の派手な見た目と喧嘩でできた体の傷のせいで自分が恋愛の対象と見られるわけがないと諦めていた。 でも、彼は不思議と私に近づいてきて、 仲良くしようって言ってくれた。 だから、希望を持ってしまった。 私も恋をしていいんだって… いつの間にか彼に惹かれていって、 私は思い切って告白をした、 そんな時に言われた… 『お前の兄貴が喧嘩で強いから連んでただけで、好きとかじゃねぇから勘違いすんなよ』 そう言われて私が馬鹿だったんだと思った。 兄が地元で恐れられてたから… それで私と仲良くしてれば身が安全だからという、 ただそれだけの理由だったんだ… 『それに、ヤンキーの彼女なんか無理だろ…全然好みの顔でもないし、もうちょっと女らしくしてみれば?メイクとか適当すぎんじゃん…可愛くもねぇし?言葉遣いも悪りぃし…無理無理』 そう言ってきた彼とは縁を切った。 変わらなきゃ… 変わらなきゃって頭ではわかってるけど、 結局、何回も女の子らしくしようとしても失敗してきていた… 長年ヤンキーぶってきたのが根付いてるから、 どうも変わることは出来なかったし、 性格なんだって思ったら、 どうでも良くなってきて、 付き合う人も適当になっていた。 高校2年に上がり、 なんとなく夜出歩いていたある日のこと、 このまま適当な自分でいいんだろうかって、 考えていた… その日は凄く月が綺麗な夜だった。 コンビニで買い物を終えてきた人にぶつかる。 「あ、すみません」 と直ぐに謝罪をされた。 もしかしたら私がぶつかったかもしれないのに、 律儀に謝るものだからちょっと驚いた。 「私は大丈夫。あなたはずっと固まってるけど、ぶつかった時に頭でも打ったの?」 あまりにもぶつかった相手が謝罪の後、目を見開きながら私をじっと見つめて固まっていたから… からかって言うと慌てて、 「いや、俺はどこもぶつけてないです!寧ろ…あなたは大丈夫ですか?」 なんて身振り手振りするものだから、 つい笑っちゃって… それにつられて彼…萌くんも笑っていた。 萌くんからしたら、 それがはじめての出会いだったみたいだけど、 正確には私は もっと前から萌くんのことを知っていた。 だからこの出会いは“萌くんにとっての”だけど… ずっとその時から気になっていたし、 やっとこうやって話せる時間が出来たのは嬉しい。 萌くんが どうしてその時に私が話しかけるまで固まっていたかと言うと、「一目惚れ」だと言ってくれた。 つまり…見た目が可愛かったの? あまり喜ばしく思わない女の子もいるかもしれないけど、馬鹿にされた後に努力した私にとっては、 最高の褒め言葉だった。 やっと付き合うようになって、 萌くんのことも教えてくれた… 引っ越してしまった、大切な先輩の話… 特別に仲良くしていた先輩が突然居なくなって不安になったらしい。 だから昨日私が居なくなっちゃって心配かけたことには反省してる… でもね、私は絶対離れないよ。 萌くんは優しすぎるけど、 私にとってはそれが凄く居心地いいんだ。 トラウマとか怖いことは確かに傷になっちゃったけど、今それを埋めてくれるだけの言葉をくれるから。 怖がらないでいいんだよ。 「ずるくて、自分勝手でごめん」 なんて謝られたこともあったけど、 私は好きだな。 そんな萌くんだから、 今一緒にいるんだよ。 … 「悠李さん…」 そっと肩を抱かれる。 いよいよか…ドキドキしながら目を瞑った。 波の音が気持ちいい… ちょっとだけ軽く私の唇に触れるような萌くんの唇の感触を感じながら、 萌くん、やっぱり優しいな… やっとキス出来たね。 なんて思っていた。 でもこれぐらいが居心地いい。 パッと目を開けると夕日なのか萌くんが赤くなってるのかよくわからないけど… でも、しっかり私のことを見ていてくれた。 嬉しい… 「ずっとこれからも悠李さんを守り続けるから……好きだよ」 萌くんが真剣な表情から「好きだよ」だけ優しく笑って言うから、 思わずギャップにドキドキしてしまった。 海だからかな旅行だからかな… なんかやけに私も赤くなりそうだ。 今なら夕日でわからないだろうけど。 「ゆりも、萌くん大好きだよ」 と言った瞬間、 「帰るよーーーーーー」なんて、遠くから春輝の声がした… 本当にヤツはムードを壊してくるなぁ… 見られてたかもしれないけど、 声まではわからないでしょう。 なんて思って萌くんと目があって 2人で笑った。 「行こっか」 「うん」 … 帰り道は、すっかり疲れて寝ていた。 千雪の寝息も聞こえる。 海っていつも帰り寝ちゃうんだよね… でもまぁ、ありがたいことに車移動だから助かるんだけど。 不意に萌くんの声がした、 「悠李とは、いい感じになれた?」 「あ、はい…気を遣ってもらっちゃいましたよね?」 萌くんは春輝と話してるようだ。 「いーよ、いーよ…1日目スパルタしちゃってごめんね?」 「…いや、出来なかったのは悔しいし、またやりたいです!俺…悠李さんに何かあったら耐えられないから…もっと強くなりたい…」 私はいつも自分自身強い自信があったけど。 こうやって思ってくれる彼がいるのは嬉しい。 「いいね、応援してる」 「はい!」 春輝って、多分だけど… よく人を見てるんだろうな… 萌くんがこんなに積極的な旅行だったのも、 不服だけど春輝が煽ったからなのかもしれない。 どんなことがあったか、 山の時は聞けてないし。 萌くんや千雪に聞いてみよう。 …わかるようで、わかんないんだよね。 でも、悪いやつじゃない。 それだけは解ってるから。 またみんなで旅行に行きたいなぁ… そんな事を思いながら、 あっという間に夏休み後半が過ぎていく。 来年は三年生か、 たくさん遊んでられないから、 目一杯楽しまなきゃ。 … 春輝と話し終えた萌くんが 私の手を握ってきたので、 そっと握り返した。 END … はぁぁぁい!みなさんこんにちは! めばるです! まず叫んで良いでしょうか??!? あまーーーーーーーーい!!!笑 青春ってか恋愛ってか、 全体が甘々な世界でしたね、 書いていて…我ながら甘い!甘いぞ!と何回も頭を抱えましたが、、、 まぁ、はじゆり可愛いから許して。 ヤンキーとは何ぞみたいな勢いの恋愛詰め込まれてますが。 私オールジャンルで食い荒らして行く予定なので(? 宜しくお願い致します! もう少し先だけどBLもあるんだぁ… (苦手な人ごめんね …さてさて、はじゆりちゃん… 萌くんについては、いままで春輝は遠慮がちにしていた部分が多かったんですけど、 シナリオの絡みが出て、楽しかったし、 やっぱり一年生大好きだなって思いました。笑 やっぱり、萌くんの一途に悠李ちゃんを愛する部分がね…可愛いし、 でも、良い子だから千雪とも仲良くできるし。 とにかく良い子すぎて悠李が羨ましいよね。 春輝に比べたら、萌くん良物件すぎて、 天と地の差がある…( そしてまた、悠李との相性抜群なんですよ。 そんな2人の距離を縮めようと頑張る春輝に便乗してくれた千雪ちゃん… しかし、 はるちゆがはじゆりの距離縮める火をつけたつもりが、逆に千雪がスイッチ入っちゃいましたねぇ。 はるちゆは付き合ってないし、 付き合う予定もないんですけど、 距離が近いのは、お互い依存系のタイプだからって話があります。 春輝は女の子に対して、ウェルカム体質だし…チャラいって悠李が言ってますが、 本当にそうなんだと思います。 遊ぶの好きなんだから仕方ない。 というか、誰かと遊んでないと死ぬんじゃないかな? みたいな感じです。 だから、 千雪みたいな子には助けられてしまいますよね。 ありがとうね、たくさん遊んでくれて。 という気持ちがいっぱいです。 シナリオのメインは、はじゆりだったんですが…どちらも濃い感じになってます。 ちょっとばかり出てきた、 はじゆりの過去話は、 2人の中の人達から発信があるかな? って感じなんで… 無かったら聞いてみると教えてくれるかも? …是非とも、はじゆりちゃん応援していきたいですねぇ、本当に私の一推しカップルをシナリオにできて幸せでした!!!!! 結婚式に呼んで欲しい春輝と中の人。笑 …シキケンはヤンキー学校だけど、何でもありな所が本当にありがたいね(ジャンル回収し過ぎてる) みんな、 素敵な恋愛をしてほしいなぁーーー また、こういったほのぼのしてる恋愛ストーリーも書いてみたいので、いつか書けたら良いな、、、 (ほのぼのってか甘々 良い感じの息抜きをした次は、 あのストーリーの続きになります。 緊張するね… 天国と地獄という8月のタイトル(?) 次回をお楽しみに!ではまた!
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