私が悪かったの。

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「謙司どうしてるの。謙司に会いたいよ~」 と送っても、 「こんな時期だから自粛しないと」 「ソ-シャルディスタンスが」 とか言って、明らかに莉奈を避けるようになった。 莉奈は、自分に原因があるのは何となく察していた。 莉奈はたいへんなジェラ子、つまり焼き餅焼きだった。謙司が職場の他の女子と雑談し、少しでも嬉しそうにすると、明らかに不機嫌になった。そして謙司からのラインにも電話にもしばらく出なかった。仕事の上でもあからさまに謙司を避ける態度を取った。その癖、その女子が前から歩いてくると、ガンを飛ばした。これは仕事がやりにくい。こういうのを男は最も嫌う。 そんな莉奈に愛想が尽きたのだろう。リモートワークだから直接顔を合わさなくて済むのをいい機会だと、謙司は別れ話を切り出したのに違いなかった。 莉奈は悲観に暮れた。仕事に精を出して気持ちを切り替えようとするにも、そう出来ない理由があった。
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