それでもまた夏は来る

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〝みんなへ〟 突然私がいなくなったので、さぞ驚いていることでしょう。 ましてや手紙を残すなんて、湿っぽいことをすると思っているかもしれません。 柄にもなく手紙を書いているのは、私が救いようもなく口べたなのと、みんなを前にして一言でも話そうとすれば涙が溢れて、多分、崩れ落ちてしまうからです。 ご存じの通り、私は意地っ張りで人前で弱さを見せるのが苦手な人間なので、みんなにそんな恥ずかしいところは見られたくありません。 本当は、この手紙すら予定などなかったのだけれど、そうも言っていられない状況になってしまいました。 神様なんか嫌いです。 とにかく、後悔しないように、伝えておこうと思います。
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