それでもまた夏は来る

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無理して丘に行ったは良いけど、体力が限界で、願い事をしたあと家に帰る気力がなかった。 来たことを後悔してたら岩陰からみんながでてきて驚いた。 泣いてたのは、安心とかそういうのもあったけど、それ以上に嬉しかった。 だって私、自分の親以外で、私のことこんな心配して探しに来てくれるような友達ができるなんて、本当に、ちょっと前まで想像もできなくて…。 …菜摘だったかな、確かあのとき言ったんだよ。 『また来年一緒に見よう』って。 泣きそうだった。 そんなこと言われたら、諦められなくなってしまう。 生きたいと思ってしまう。 あのとき私は、本気で手術を受ける覚悟を決めました。
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