それでもまた夏は来る

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〝もしもし祐子?〟 〝あ、菜摘?〟 〝千春のこときいた?〟 〝きいたきいた!!なにやってんだかね〟 声が乱れている。 セミの声が聞こえるから、多分、外にいる。 〝祐子今どこ?〟 〝学校付近にいる!学校の中入れないかなと思ったけど無理だった。〟 〝そっか、彩花も一緒?〟 〝ううん、彩花も探してるけど駅の方行った。でも居なかったみたいで、これから合流しようってさっき電話したとこ〟 〝そうなんだ、私も行く〟 〝うん!学校で待ってる〟 〝私、ひとつだけ心あたりあるんだよね〟 〝心あたり?〟 〝うん。彩花と○○丘に来てくれるかな〟 〝○○丘?こんな時間に?…なんでまた、〟 〝理由は合流して丘登るときに話すよ。その方が効率良い〟 〝…分かった、彩花に伝える〟 〝うん、頼んだ〟 私は通話を切るとTシャツの上にパーカーを羽織り、ケータイをポッケに突っ込んで家を飛び出した。お母さんには千春がいなくなったらしから探してくる、もし電話がかかってきたらすぐスマホに連絡してと伝えておいた。 夏の夜はまだ少し肌寒い。 晴れた日の真夜中は綺麗に星がでている。 昨日が雨だったからなおさらだ。 私は綺麗な星空を視界に収めながら、全力疾走した。
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