それでもまた夏は来る

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しかし暗くて最初はよく分からなかったけれど、目が慣れてくるとそれが探していた人物であることがわかった。 「ねぇ、あれ、千春じゃない?」 「うん、私にもそう見える」 「うんうん」 「どうする?声かける?」、 「お母さんに電話しようか」 「待って、なんか様子おかしくない?」 「寝っ転がって、死体ごっこかな?」 「お願いごとしてるんじゃない?」 「お願い事?」 「流星群だから」 「わぁほんとだ!流れ星!こんなにたくさん!!」 彩花の言葉に空を見上げれば、なるほど、ペルセウス流星群 「綺麗だね」 「ホントだね」 「これを見るために千春は家を抜け出したのかぁ…。確かにそれだけの価値はある景色かもね」 「ね」 「…それにしても、千春、なんて言ってるのかな?」 「気になる」 「気になるねぇ」 「…うーん、だめだ、ギリギリ聞こえない。」 近づこうとしたら、寝転んで手を組み合わせていた千春が立ち上がった。ふらふらと歩き出す。どうやら帰るようだ 「寒いし怖いし、私達も様子見守りながら帰る?」 「…そうだね、そうしようか」 「一応千春のお母さんに見つけたってメールした」 「祐子ナイス」 「…っわぁ!千春!」急に彩花が叫んで立ち上がった。 「ちょ、ばか、みつかっ、…千春っ!!」 彩花の大声に驚きつつ視線を千春に移せば千春が倒れていた。 3人は慌てて駆け寄った。
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