それでもまた夏は来る

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「千春!大丈夫!?」 私たち3人に覗き込まれ、千春は薄目を開け呟いた。 「…みんな?、…なんでここに」 ぎょっとした。 安心したのか、泣いている。 「泣かないで。大丈夫だから。そばにいるからね」彩花が言う。 「そんなに星が見たかったの?」 祐子は冷静に千春の額に手を当てて、やばい、熱高すぎるよ、どうしよう、とつぶやいた。 私は千春に膝を貸し、荒い息をする千春に「…こんな無理しなくても、来年でも良かったのに」と言った。 「毎年見れるって、ニュースで言ってたよ。無理して今日見なくても、来年まで我慢すればよかったじゃん。」  私の意見に祐子が同意する。 「ほんとだよ、馬鹿だね」 「うん、2人の言うとおりだよ。言ってくれれば、来年だっていつだって、私、一緒についていくよ?」 彩花が安心させようと、千春の手を握る。 千春が咳き込む 「大丈夫?」 頷くが千春は苦しそうだ。 「あーー、もう、おでここんなにあつかったらお湯湧かせるよ。」 彩花は千春の額に手を乗せて、心配そうに眉をひそめる。 「千春のお母さんとお父さんがこっちに向かってるって。多分あと5分くらいで着くと思う。…あと少しの辛抱だよ、千春。」スマホを片手に祐子が言う。 「千春これ、水飲める?」祐子が鞄からペットボトルを取り出して渡す。 ありがとう、と千春は起き上がり、ペットボトルを受け取った。 「…今年のペルセウスが見たかったの、どうしても」 そう呟いた千春は寂しそうで、私は彼女の背中をさすった。 「…4人で、来年もまた一緒に見にこよう。」 そのあと千春は病院に運ばれて、次の日見舞いに行くと点滴をしていた。 こっぴどく親にしかられたというのに千春はすごく晴れ晴れとした顔をしていた。
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