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七月七日。
夜空には天の川が流れている。
そこであの恋人たちは一年に一度のデートを楽しんでいるのだろう。
私は天の川を見上げ、ある願いを心の中で唱える。
ーー「どうか、私にとびきり素敵な恋人をください」ーー
そう唱えた瞬間、辺り一面に光が広がった。
一瞬の出来事だった。
光が消え、私は目を開ける。
すると、そこに一人の男性が立っていた。
まるで映画から飛び出してきたような、端正な顔立ちとスラリとした体。
その男性は私を見て、ニコリ、と微笑む。
その優しく美しい微笑みに、私は自分が恋に落ちたのが分かった。
しかし、何故、こんな綺麗な顔立ちの男性が今、私の目の前にいるのか。
少し考えて、あることを思い出す。
ついさっき、天の川を見上げて、心の中で唱えたあの願いを。
「・・・え?もしかして、願い、叶った?」
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