予鈴が鳴ってから

girls side

昼休み、私と彼は屋上にいた。

いつの間にか、なんとなく始まったこの習慣。

人気のない屋上でぼんやりとお弁当を食べて、予鈴が鳴ったらのそのそと教室に戻る。

教室内での私たちの関係は、それほど密接な訳ではない。

ただのクラスメイト、だと思う。

それでも屋上には自然と足が進んでしまう。

彼の隣は居心地がいいんだろうな。

今日も屋上でお弁当を食べ、他愛のない話をして、予鈴が鳴った。

それは教室へ帰る合図。

｢さっ、戻ろうかー｣

いつも通り、重い腰を上げながら私は立ち上がる。

｢ちょっと、話があるんだけど｣

座ったままの彼に手首を掴まれた。

｢え、でもあと5分…｣

｢そうだけど…すぐ終わるから｣

彼は深く息を吐き出し、立ち上がって向かい合った。

｢俺さ、前からずっと…｣

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