ツノに願う

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 リコは一角獣の一族。  ルラは鬼の一族  ラミアは吸血鬼の一族。  種族同士、仲が悪く、常に一触触発だった。 「私は、また、会いたい、よ」  涙を溜めながら、ルラはさっきよりもはっきり告げる。 「それは大人が決めることよ」  この中で一番年長のラミアは、リコ以上に大人同士の緊張を理解しているのだろう。ラミアがいなければこの集まりだって実現しなかった。 「じゃあ、大人になったら私達が決めれるのね。私、リコもラミアも好きだもの。ずっとずっと友達でいたい」 ——大人になったら。  ルラの言葉に2人は、目を見開く。そうだ。いつか自分たちも大人になるのだ。  変えられるのだろうか。いがみ合うこの関係を。  根深い因果を。
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