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「……星がツノに降りると、眩く光って星神様に願いごとを届けてくれるって聞いて2人の前でお願いしたかったんだ。また2人と会えますようにって」
無理だったけど。ポツリと溢す。リコの力では星を呼ぶことはできない。
「会えるよ。私、頑張る」
「なによぉ、2人ともずるいわ。私だって気軽に2人に会いに行きたいし、遊びたいわよ。楽しいもの。……大人になるまで待ちたくはないわ。本当は明日だって会いたいもの」
でも我慢してるのよ。そうラミアは頬をふくらませる。
いつまでもこっそりひっそり遊ぶのではなく、沢山笑って、色んな場所を3人で探検してみたい。家族や他の皆にもそれを見守ってほしい。
「ねぇ、祈ろう。お星様は来なかったけど、3人で祈ればもしかしたら神様に届くかも」
「え、でも…」
種族が違うのに、星神様へ祈りは通じるのだろうか。
「そもそもその星神様ってのもいるのかわからないじゃない」
吸血鬼の一族も鬼の一族も神を信仰することはない。リコの一族だけだ。それでもルラはリコ達が崇拝する神様にお願いしようというのだ。
「神様に『私達は、また3人で会います。見守っていて下さい』ってお願いするの。叶えるのは自分たちで。でも不安だから神様に見守ってもらうの」
月の輝きがルラの白い髪をキラキラと輝かせる。同じ髪色を持つリコでも綺麗だと思った。その言葉にラミアも歓喜の声をあげる。
「それはいいわね! リコには悪いけど神様は信じられないから。うふふ、でも星空に約束を誓うって、ロマンが会っていいわぁ」
「わっ、痛いよ。ラミア」
「あ、ごめんなさい。ツノにも痛覚あるのね」
「そりゃあるさ」
「私達を軽々と串刺しにできるってきいていたから、痛みなんてないのかと思ってたわ。そう、刺す方も痛いのね」
ラミアは、今度は優しく触れてキスを送る。リコもルラも驚いて顔を赤く染める。
「うぶねぇ」
「いやいや、ラミアが大胆だよ」
「そう? お願いするんだもの。これぐらいサービスしてあげなきゃ」
「ふふ。じゃあ、私も」
「ちょ、ルラまで何してんだよ」
リコはまさか自分のツノに嫉妬する日がくるとは夢にも思わなかった。
3人でリコのツノに手を重ねて目を閉じる。
「約束しましょ。私達はまた何度でも会うことを」
「うん」
「あぁ」
明日のことなんてわからない。種族もばらばらで知らないことばかりだ。
だから知りたい。もっと話をして時には兄弟のように喧嘩もしてみたい。
偶然出会って、偶然続いた関係に、胸を張って友達だと言えるように。
大人になっても3人とも笑いあっていれるように。
夢のように思えても願わずにはいられない。
そんな世界を自分たちは作れますように……。
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