ブッドレア

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ブッドレア

「お前は、春の方か。冬はどうした?俺はあいつに用があるんだ。」 唯一僕を見分けれた貴方は少し冷たい印象だった。 「ふーの居場所なんてなんで知りたいの?」 少し生意気に聞くとまゆがぴくりと動いた。 僕の生意気な態度が嫌だったのだろうか。 辺りに不機嫌オーラが流れた。 「お前は冬より性格が良くないらしいな。」 「それって僕がふーだったらどうするの?」 ただ面白半分だった。 だって僕たちを見分けることなんて誰にも出来なかったから。 だから本当に見分けれたのか確認したかった。 「お前は絶対に冬じゃないだろ。冬はもっと優しいオーラが滲み出てる。」 ほっぺが熱くなるのが分かった。 冬の話をする時の表情が優しすぎて、思わず見惚れてしまった。 そんなところを見られないようにと顔をそらした。 「ふっ、ふーなら裏庭でネコちゃんと遊んでると思うよ。この時間はいつもあそこだから。」 早くどこかに行って欲しくて早口にまくし立てた。 これ以上ここに居られると赤い顔を見られるかもしれないから。 「春、ありがとう。」 少し笑いながらそう言ったのが分かった。 初めて名前を呼ばれた。 初めて"春"に頭をぽんぽんされた。 初めて、初めてふーと顔が似てることを疎ましく、そして嬉しく感じた。 あの人はどうしたら僕を見てくれるだろうか。 あの人はどうしたら僕と話をしてくれるだろうか。 あの人はどうしたら僕に興味をもってくれるだろうか。 どうしてこんなにあの人に見てほしい? どうしてこんなにあの人と話をしたい? どうしてこんなに興味をもって欲しい? そんなの知らない。 だって初めて僕たちを見分けてくれたんだもん。 もっともっと見分けてもらえる嬉しさを味わいたい。 だからもっと僕たちを見分けてよ。 これから楽しくなる予感がする。 次は見分けられないようにふーと作戦を練ろう。 ブッドレア 恋の予感 あなたを慕う
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